34話@丸
できるものなら、叶えてさしあげたい
っていう12話の直江の言葉が、いま胸にきてる。
そりゃあ直江だってお屋形さまに苦渋は強いたくないし、心を折らせたくない。結果的には随所で上杉家を、ひいてはあんな傾いてて人がよすぎる景勝を諌めて、鼓舞して、引き留めて、守って救ってきたわけだし、直江いなかったらほんととっくにお家なくなってたと思うし。直江の選択は、まちがってたわけじゃない。
けど、あの5メートルに及ぶ書状は、直江が、景勝がしたいと思ったことを、思った通り以上に(笑)、叶えてさしあげた結晶なんだなあと思う。
よかったね、直江。景勝がウケてくれてよかったね。お屋形さまと共にあれてよかったね。二人がとても楽しそうで、互いの心に無理を強いてなくて。
ほんとうは、こういうことを、直江もずっと、もっとしてあげたかったんだろうなあ。
だが無理なものは無理だ(キリッ)て言えちゃう直江たればこそ、もちろんそんなところも大好きだけど、この一時があって救われた。全わたしが。
ヒリヒリした状勢のなかで選択を迫られて、そのたびもがきながら生き延びたり、ナレーションに召されたり。理想のようには生きられないことだってある。丸の幾多の登場人物たちは、それをそれぞれに抱えながら己の時を生きてる。放送の尺も限られてる。
そんななかで、直江と景勝の二人の、ともに「ありたいようにある姿」を、ここで見せてくれたことが、とても嬉しい。
ありがとう。ありがとうNHK。
ほんとマジで受信料2倍払えるなら払うわ。
史実としてはこの上杉家の決断の結果を知っているけど、後ろから見ていろいろ言うのは、フィクションに対してフェアじゃないから、丸の現在進行形のなかで、関ヶ原を楽しみたいと思います。
5分版の重低音朗読はわりと直江本人寄り、今回のイッケイケな朗読は、家康さまのなかで自動再生された「家康的直江のイメージによる朗読」だと思ってます。どっちも煽りのツボおさえてるのがすごい笑える。むらかみさんほんとすごいなあ。
しかし今回なにかとおもしろすぎて「ハッ!」て鼻で笑ったとこしか覚えてなかったんで(笑)見返して反芻してたらなんか泣けてきたっていうねー。そんでこの時間ですよ。朝だよ。