おじカワとトクサツガガガ[2020.9.18]

※2022年追記:
今どっかで配信見られるのかな。
そこそこおもしろかったし、おじさんとケンタの関係にドキドキするのでオススメです。


『おじさんはカワイイものがお好き。』

なんとなく気になってTVerで観てました。ネット配信だと見逃しそうになるからリマインドが必要だね。

おもしろかったですよ。
三十路四十路のコワモテなおっさんたちが、ぬいぐるみ抱えて「彼にどう思われてるんだろう」ってもだもだしたり、昼日中の公園で「きみが好きだ!」「おれも好きです!」って叫び合ってプレゼント交換したりするの、もうニヤけず観られるわけがない。

そんな感じで感想です。

眞島さんって、私の中ではすごく普通のおじさんなんだよなあ。もちろん渋いしかっこいいとは思うけど、目を惹くタイプじゃないんですよ。職場にいても「はわ~♡」とはならない気がする。そのレベル。
だから後輩や道ゆく人にまでかっこいいと囁かれ、「見てのとおり、イケおじです!」って言われても、その前提に乗っていけない部分はあった。

内容は、かわいいもの好きなおじさんたちが世間に隠れながら推しを愛でていくという話。

あのね、「推し」って概念がまだ私の中に定着してないのかもしれない。
「萌え」と同様に、どこか性的なニュアンスを含んでいるっていうイメージがあるのよね。
おじさんの好きなパグ太郎は、子供のころからずっとそばにいるイマジナリーフレンド的な存在で、キャラクターグッズを手に入れたいっていう消費行動と同列に語っていいのか?というのが納得いかなかった。
あとおじさんはかわいい好きを隠すためにダンディなわけじゃなく、ナチュラルにダンディでセンスがいいわけだから。
ケンタのジャッキーもそう。ケンタが中目黒のダンサーであることに変わりはなくて、ちゃらい仲間もいて、でも彼の毛布がジャッキーであるというただそれだけのこと。
なんで「かわいい好き」と「イケおじ」が両立してはいけないんだろうか?という根本的な疑問がちらついてしまいました。

登場するメンズが全員かっこかわいくてとてもよかったですけれども。ドラマの筋としてはよくわからなかった。


そもそもなんだけど、隠れオタクの話が苦手なんですよね。
ギャグマンガならギリギリだけど、ドラマでしっかりとリアルに描写されると、なんかものすごいつらくなってしまって、あるあるで笑えない。

トクサツガガガは、東映全面協力でかなり本気で作ってて特撮ファンなら観なきゃだろ、と思いつつも2話くらいで折れてしまった。
主人公のお母さんとの確執とか、そういうのが本当につらくて。
隠れオタクとして擬態は完璧だぜー!って楽しんで世を忍んでるならいいんだけど、隠れることの苦しさやつらさ、同志への健気なアプローチ、そういうのが見てられないんですよ。
あとまあ原作マンガに対しては、徹底的に健全ガワヲタ特化の姿勢が受け入れられなかったのもある。変身前も後も腐萌えもひっくるめて特撮萌えなので、俳優萌えや妄想を否定されると仲間とは思えないんだなあ。

ドラマ的には、いわゆる抑圧されたマイノリティの苦悩を描くのがわかりやすいし、世の中への大義名分ができるのだとは思う。
でも当事者からしたら、枯れ葉どけられたダンゴムシの気分なんですよ。脚光なんて浴びなくていい。腐女子モノとか流行らなくていい。

でもそう思うのは、周囲に仲間がいるからかもしれないな。ガガガもおじカワも、孤独なオタクだもんな。