伝説の巨人。

今年いちばん熱かった特撮といえばアレですね。

露骨に大人狙いの……
タロウと縁がある……
タロウ汁を飲ませる……
巨人……

そう、タローマンである!!

ドンブラもシンウルもブラックサンも軽々と飛び越えていきました。
2022年のベストオブ特撮番組はタローマンです。

タローマンの説明はしないので今初めて知ったという方はすぐに検索してください。
YouTubeでも見られます。

そんな「タローマンと私」。山口一郎と同世代です。


NHKの、Eテレの全力全開を見たなという気がします。
あーこれは好きだわー。これを好きにならない選択肢はないわー。

マニアックすぎるからTwitterでは触れなかったけども。
心理学者の河合隼雄が、マジメなことを全く言わずただただ嘘と冗談だけを詰め込んだ『ウソツキクラブ短信』という本があるのですが、あの真顔で捏造を重ねてくる感じを思い出しました。
ヘタに知識と知性に裏打ちされているだけにタチが悪くて笑ってしまう。教養が必要な笑い。
変に説得力と真実味のある、でも堂々とした「嘘」。

うっかり、タローマン展行っちゃいました。

NHK放送博物館なんて初めて行ったよ。
平日午前だったから人は多くなかったけど、入り口前でオフ会っぽいメンバーが待ち合わせしてて、会場で女性二人連れがそれぞれタローマンとツーショ撮ってたり、帰り際に子供が「ばーくはつだー!」と歌いながら走ってくるところに出くわしたり、これは家に籠もっていてはわからない空気感だなと思いました。

タローマンは出張してることもあるそうなので、出会えてよかったです。

展示のたびに新しい造形や設定(ただし全部嘘)が増えていくの、すごい労力かかってる。
「同じことをくり返すくらいなら死んでしまえ」と銘打っている以上、常に新しいことをしなければならない。嘘もたいへんだな。


同日、岡本太郎展へ。
順番がおかしいって?
いえ正しいのです。なぜならタローマングッズは岡本太郎展の会場でしか売っていないからです。タローマン展を浴びてからだと、グッズのほしさがぜんぜん違ってきます。
(現在はNHKのポップアップショップやオンラインショップで買えます)

正直なところ、やっぱり岡本太郎の力に圧倒されました。
タローマンの元ネタだって!ってノリで見に行った人もそうなんじゃないかな。だからタローマンは岡本太郎の再発見装置として正しい役割を果たしてるんじゃないかな。

個人的に印象が強いのは「明日の神話」。
渋谷駅に置かれる前に展示会があって、そのときすごくしっかり見た。今回も「あ、第五福竜丸だ」と思って足が止まってしまいました。
なかなか気軽にカメラを向けられない作品も多かったですね。

プロダクト系はあまり知らなかったので、興味深かったです。「水差し男爵」とかのPOPでKAWAII感じがすごい。ほしい。

ショップでは、岡本太郎は手元に置いておくには強すぎるので、どちらかといえばタローマンのグッズを買ってました。ブラインドとガチャは各1回までと決めていましたが、3個くらいでもよかったかなと帰ってきてから思いました。

ちなみに、東京都美術館内の「タローマンエリア」を気づかずスルーしてしまったのが痛恨のミスでした。
展示の導線上じゃなかったんだよ……いやたぶんさっきNHKにいたからタローマンはいなかったと思うんだけど、じゃあ何があったのかすごい気になる……悔しい……


大阪局の歌番組に生放送で出演してお茶の間をざわつかせていたので、紅白もあるかなと思っているのですが。
好かれるのも期待されるのも我慢ならないタローマンだし、出てほしいような出てほしくないような、複雑な気持ちで年末を過ごしております。

好かれるヤツほどダメになる。