Fin.

あーあ、終わっちゃった。
この余韻を抱えてふわふわしてるときが、SHT見てる時間の中でいちばん幸せかもしれません。
「はー、やっと終わったー次なにかな」って」いう年はやっぱりさびしいので。

ジュウオウジャーの最終回で、なんとなくこうなるんだろうなあという大団円ルートをナナメ上で裏切ってきた展開がすっごくうれしかったんですけど、今回はその数倍裏切られて、累乗でうれしいです。
予定調和でなく納得させる力ってすごい。
私も、悪役イケてないとか主題歌わかりづらいとかオモチャほしくないとかいろいろ文句は言ったけど、でもやっぱり毎週前のめりで観てたなあと思うと、すごく楽しい一年でした。
9人からの12人っていう「異端」に挑戦した前戦隊からの、3vs3っていうさらなる「異端」で、始まる前は不安のほうが大きかったのも事実です。キュウレンジャーは実際乗り切れなかったのでとくに。
でも最終回を迎えた今、イベントの動員記録が「侍」以来だとか、円盤の売れ行きも「海賊」に迫りつつあるとか、とにかくいろんな意味で「異端」を極めてくれそうでわくわくしますね。
今年はキャストもよかった。全員が最初からやってくれそうな感じで、一年間で期待以上にものすごく成長してくれて、彼らでなきゃ成立しなかったなと思えました。今後どっかのドラマや映画で7人を見かけたら「がんばってるな」という気持ちになると思います。そうじゃない年も多いんですよ(笑)。

とりあえず、来週末とその次の2週連続でGロッソ取れたんで、最後の勇姿を目に焼きつけてきたいです。

——————————–

さて……
いちおう同人的には赤青でやってきましたけど、ほぼ予想どおり成仏させられたというか、ザミーゴくらいきっちり倒してもらったな、と清々しい気持ちで思いました。
文句のつけようのない最高のエンドを否定してまでやりたいことはないです。
でも個人的にはわだかまりがあるとこで止まっちゃってるので、なにか思いつけば決着や別れはきちんとしたい気持ちもあります。今の時点ではいらないとは思ってますが。

てことで、来週から4週くらい、出てきた先輩ヒーローに関する何かを出せたらいいんじゃないかと思っているところです。ゴーカイジャーとか、キュウレンジャーとか。ボウケンジャーとか?
過去ファイルあさってるとこですが、もし出したらご興味のある方だけ笑ってやってください。

てことで、ざっくりながら最終回感想など。
なんかうまいこと140字くらいでまとめたいと思ってTwitter投稿画面10分くらい眺めてたけど、おしゃべりな私には短くまとめるなんてムリでした……

——————————–

終盤はムダなシーンが全くなくて、ラスト3話くらい、頭からみっちり語りたいくらいなんだけど。
ジャックポットストライカーはテレビには出ないのかなあって夏からずっと言ってたのが、まさか最後の切り札になるとは! ありがとう!!としか言いようがないですありがとう。
最後に初回やOPに繋がるのもオシャレすぎる! 最初から最後までオシャレというか小粋だったなあ。

ただ、ドグラニオ親分の最後がなかなかエグいというか、いくら悪役とはいえ、子供番組にしてはわりと残酷(≒エロ)描写じゃないのかって不安になりました。いや死んでないからいいのか? いやでもあのビジュアル……(頭を抱える)

——————————–

「絶対正義」の代名詞だった圭一郎が「仲良くなった魁利くん」のために立場も理想も捨てようとするのが、こちらへ引き上げようとするんじゃなくて彼に寄り添おうとするのが、圭一郎の元からの優しさだけじゃなくて、魁利の影響が大きかったっていう描き方も含めてとにかくすごい(語彙)。
警察の正義が正しかったっていう結論じゃなく、事情がありましたしねって安易に和解するんでもなく。圭一郎と魁利、パトレン1号とルパンレッド、っていう図式が最後まで崩れずに終わったの、ホントすごい(語彙)。

そんで魁利のお兄ちゃん。勝利さん。「さん」だよね。
タキシードで登場したとき「やばい透真よりかっこいい」って思いました(笑)。同時に、魁利のお兄ちゃんはこの人じゃなきゃいけなかったんだなって改めて。
顔も頭も要領もよくて自分にそれなりの自信がある魁利が、大好きで憧れてコンプレックスまみれになって反発せざるをえない人、っていう説得力が、あのすらっとした快盗姿で体現されてた。快盗のコスチュームを着こなしながら、爽やかさがそのままなんだよ。
でも重要なのは、その「なんでも魁利より上」「魁利とは真逆の存在」である勝利さんが、弟のために魁利と同じ道を選んだってことだよね。ノエルの存在もあるだろうけど、警察に相談するとか優等生的な選択はしなかった。

私は「圭一郎と和解することでお兄ちゃんを受け入れられるようになる」っていうルートしか考えつかなかったんだけど、「圭一郎に対しては対等なライバルのままで、お兄ちゃんが魁利に歩み寄ることで素直になれた」って提示されるともうそれしかないなって思う。
ザミーゴ倒したあとの魁利が、一気に少年の顔に戻って透真と初美花に抱きつくのがね。それまでハードボイルドに「悪い男の顔」「小悪魔な青年」だったのが、そうだよハタチになったばっかりの男の子なんだよ!って感じで。そしてお兄ちゃんと対面して「ごめん」って言うときの顔は完全に子供だった。もう「兄貴」なんて突っぱった言い方もしなくていいのよね。
もしかしたら、ゴールとしてはここが決まっていたのかもしれない。だれよりも快盗に染まった魁利が、ただの男の子に戻る瞬間。

——————————–

透真はやっぱり「彩さんを失ったことで優しい心を封じた人」が正解でしたね。
私は「彩さんだけに忠実な性格破綻者」でもよかったけど(笑)、それはないなと途中から思いなおして観てました。魁利と初美花に対して愛着を隠せなくなってたあたりから。ある意味、目的にまっすぐ向かっていた魁利と透真に対して、透真は一歩引いてるから見えてしまうこと、気持ちが入ってしまうことが多かったんだと思う。
三人の繋がりをいちばん失いたくなかったのは、初美花ではなく透真だったんでしょうね。初美花は警察も含めての「みんな」だったけど、透真は家族としての魁利と初美花だけを見ていたから、警察は受け入れられなかった。
病院から抜け出した後も、初美花が「大事な人を取り戻す」と言い切ったのに対して、透真は魁利を助けにいくことを目的にしてたし。前々から言ってるけど、短期的な目標しか考えられないんだよな(笑)。
彩さんさえ幸せなら自分はどうなっても……っていう行動原理も、最初から最後まで変わらなかった。そういうとこだよ! 不器用さんめ!!(泣きながら)

その彩さんが、これは透真が惚れ込んで自分の命より大切にするよなあ、って説得力すごかった!
同時期だったから比べちゃうんだけど、ビルドで万丈の恋人だったかすみさんが、「病弱で」「彼女を救うために万丈は罪を犯し」「万丈を支えようとして窮地に追いやってしまい」「最後は敵に利用され殺される」という、言ってみれば典型的な足引っぱる系のヒロインで、でも万丈の彼氏力が高かったのでそこまで嫌味じゃなかっただけかなって思う。
一方の彩さんは、透真にいろんな可能性や視点を気づかせて今の透真を作り上げてるし、透真は「毎日料理を作る」とプロポーズしたけどイメージの中では二人で料理してたし、最後はしんみりもしっとりもせずバタバタと忙しく元気にやっている日常で、そしてあのシックなドレス姿ですよ。決して出番は多くないのに、まちがいなくステキな女性ってことをいつのまにか私たちも知ってた。
ただ助けられるだけのお姫さまなんかじゃない。きっと彩さんは、透真みたいに(かすみさんみたいに)「自分の命と引き換えにしてもあなたの幸せを願う」なんて言わないね。二人の未来のために快盗になったんだよね。
もうなんだ、透真じゃなく彩さんがブルーでもよかったわ。つかさ先輩とのvsが見たすぎたわ。

あ、ノエルが仕込んだ快盗業って、変身も込みだったのかなあ。
さわやかボイスの長身ルパンレッド、アクティブな女ルパンブルー、なんてステキすぎますね。ルパンイエローはそんなに変わらないかな、もうちょっと快活でタフかな。これにルパンエックスを入れたら、かなり大人かわいいルパンレンジャーなんですけど。やばいやばい。身体能力の高い一般市民6人(3組)が完成したわけですね。

——————————–

魁利が悪ぶった背伸びをやめて、透真が本来の自分に戻っていったのだとしたら、初美花は王道の成長キャラだったんだと思います。
最初は二人に守られて、たぶん最後までその図は崩れないんだろうなあと思ってたのに、いつのまにか「三人で」「四人で」戦うことがあたりまえになってて、だから金庫の中にもいっしょに入っていけたんだよね。
咲也との関係も、前半の私は正直くっつかないでほしいなと思ってた(笑)。ウザいしかっこよくないし、そんな男やめときなよって。でもいい男だよなあ、咲也。ごめんよ、なにも見えてなかった。初美花も途中から咲也のことを憎からず思いはじめて、そして完全に好きになってるなってのがわざとらしくなく提示されて、これはもう応援するしかないなって思いました。
やっぱり戦隊内での恋愛感情って、わりと唐突だったりするし、ムリヤリくっつけなくても……って思うこと多いんだけど、この二人は自分でもびっくりするくらい自然にその変化を受け入れてたので、描き方なんだろうなと。でも安易にくっついちゃうんじゃなく、あくまで敵同士として終わったのもオシャレですよね。どっちの可能性も否定しない。
まあ、今の初美花にはまずしほちんとの時間を過ごしてほしいなとも思うので、咲也はもうちょっとおあずけってことで……

しほちんが、いなくなった初美花のことを想いながら快盗のマンガ描いてるんだなあ、と思ったけどぜんぜんちがった。
引っ込み思案な初美花の支えになってきたくらいの女の子なんだもの、それはスタートから初美花よりタフなわけですよね。彼女はきっと迷いなくマスクをつけたんだと思う。
その上で、顔を晒して犯罪者となったルパンレンジャーの復権も願って、わざわざ快盗マンガ描いたんだと思う。あの感じだと、ルパンレンジャーは顔バレ含めもう風化して誰も話題にしなくなってるんだろうけど、しほちんはそんなことで挫けないってことだよね。そりゃ初美花はしほちん大好きだよ。

——————————–

結局、ルパンレンジャーが救おうとしていた「大切な人たち」は、不安定で弱いところもある自分たちを支えて受け入れてくれた「強い人たち」ってことだったんだなと。
助けられる側ってどうしても弱い存在として描かれがちだけど、そこさえもひっくり返してきたところがルパパトの神髄というか、メッセージだったのかもしれない。
助けるだけの人も、助けられるだけの人もいないって。

「助けるだけ」の役割はたぶんパトレンジャーだったんだろうけど、圭一郎も咲也もそこにすごい揺さぶりをかけられて、思いどおりに「救う」ことはできなかったんですよね。
圭一郎は国際警察のユニフォームを着たまま「魁利くん」と向き合うことができなかったし、咲也は「初美花ちゃん」への気持ちをどう整理していいのかわからなかった。つかさ先輩だけは動揺をそこまで表に出さなかったけど、でも彼女がいちばん「自分たちは彼らを救えない」ことを理解してしまっていたんじゃないかと。
だからこそ、「彼らを救うために」全員職務から逸脱せずに徹底して戦いつづける姿がすごくプロフェッショナルで、もうただただかっこよかった。金庫の中の三人との、静と動の対比がすごくよかった(語彙)。

最初、ルパンレンジャー人気だった世の中が、最後ではパトレンジャー人気に塗り変わってるっていうのもおもしろい。手のひら返しってことではなくて、快盗の役目は終わったって意味だものね。でも警察は不要にならないものね。

——————————–

ところでやっぱり、前のパトレン2号は帰ってこないんです……よねえ。
そこはシビアなまんまなんだなあ。
スピンオフを見てないので彼のことは知らない私でも、彼が圭一郎とつかさにとって大切な仲間だったことは伝わってきたので、このオチはやっぱりつらい。
と思いながらふとふり返ると、いろんなギャングラー役の人みんな「もう死んでるんだ……」ってなるわけで、ちょっとこれからBlu-ray冷静に見返せるかわかんないわ……

まだアルセーヌも帰ってきてないんだけど、これは永遠に引っぱるほうが、希望のあるラストでいいんですよね。
あの直後に警察が折れてコレクション全部そろってアルセーヌ復活でもいいんだけど、そうするとルパンレンジャー&ルパンエックスが戦う理由がなくなるから、これからのvsやらスピンオフは「アルセーヌ復活前」という前提にするってことなんでしょうね。
警察も快盗もノエルの幸せを願わないわけないもの!

ということでいろんな衝撃のあまり、快盗メインの感想でしたけども、警察やノエルが薄かったなんてことはぜんぜんないので、また整理がついたら語りたいです。
あーあ、来週からっていうかこの先もう二度と、あんなかっこいい理想的なピンクには出会えないんだろうなあ、つかさ先輩……